東京オフィスマーケットレポート 2022年 夏号
2022年1~3月期は0.1%のマイナス成長
内閣府が発表した2022年1~3月期の国内総生産(GDP)の改定値(2次速報)は、実質(季節調整値)で前期(21年10~12月期)比0.1%減、年率換算で0.5%減となった。オミクロン株の感染拡大を受けたまん延防止等重点措置下で個人消費は0.1%増となったが、車載向け半導体の供給制約を受けた自動車の減産や低調な企業の設備投資などによって2四半期ぶりのマイナス成長となった。
また、21年度のGDPは実質で前年度比2.1%増となり、3年ぶりのプラス成長であった。

東京都心部のオフィス市場の動き
2022年の東京都心部におけるオフィスビルの新規供給は約60万㎡(丸の内ビルディング約3.8棟分)で、前年に続いて比較的低い水準になる見込みである。7月には九段会館テラス(千代田区九段南1)、8月には東京ミッドタウン八重洲(中央区八重洲2)の大規模複合オフィスビルの竣工が予定されている。
※2022年以降の供給量は予定を含み、代表的なオフィスビルの竣工予定時期は変わる可能性がある。代表的なオフィスビルの名称は略称・仮称、竣工時の名称を含む。※オフィス新規供給量はオフィス用途部分を含む建物(延床面積5千㎡以上)で複合ビルの場合は他用途の延床面積も含まれる。また自社ビルの延床面積も含む。※丸の内ビルディングの延床面積を16万㎡として換算。※2022年の平均賃料と空室率は5月時点の水準。平均募集賃料は共益費を含まない。資料(データ部) : 三鬼商事「オフィスデータ」、都市未来総合研究所「Office Market Research」より作成
東京都心部の賃貸オフィス市況-平均空室率
都心5区の5月時点の平均空室率は6.37%で、前月から0.01ポイント低下した。この半年ほどは6.3%~6.4%前後の小幅な変動となっている。コロナ禍の収束を見据えた企業のオフィス需要の回復がみられる一方、大企業におけるオフィスのあり方を見直す解約や縮小の動きが続いている。渋谷区は4%台まで低下したが、港区は8%台の推移が続いている。
東京都心部の賃貸オフィス市況-平均賃料
都心5区の5月時点の平均賃料は20,319円/坪となり、前月から9円下落し、22か月連続の下落となった。新宿区のみが前月比47円の上昇となり、千代田区が同42円の下落となった他は同20円前後の小幅な下落にとどまった。
本ページの図表について ※東京ビジネス地区(都心5区)内にある基準階面積100坪以上の主要貸事務所ビルが調査対象。 ※平均賃料については共益費は原則含まない。※平均賃料は、原則として基準階の新規募集条件を対象としている。資料 : 三鬼商事「オフィスデータ」
多摩地区・埼玉・千葉・神奈川の賃貸オフィス市況
●東京圏郊外部のオフィス市況は、都心5区の動きの波及に時間的な差があったり、支店や営業拠点などが多いといったテナントの特性、さらには地域固有の要因などから、都心5区とは市況の動きが異なる。コロナショックで全体的に空室率が上昇し、今年になっても多摩地区とさいたまエリアでは大規模及び大型ビルで上昇している。また、千葉・船橋エリアでは大規模ビルが上昇後に緩やかに低下し、横浜市と川崎市の大規模ビルは上昇傾向にある。
資料:三幸エステート「オフィスレントデータ」
※本レポートの無断転載を禁じます。 Copyright 2022 HEISEI BUILDING CO., LTD.
2022年7月1日