東京オフィスマーケットレポート 2018年 夏号
女性の就業増大を背景に完全失業率は7年連続して低下
平成29年労働力調査年報によると、2017年の平均完全失業率は2.8%で前年に比べ0.3ポイント低下した。就業者数は2017年平均で6530万人となり、前年に比べ65万人増加しており、うち、女性の就業者が49万人増加した。
東京都心部の賃貸オフィス市場の動き
2018年の東京都心部におけるオフィスビルの新規供給は約170万㎡と、昨年に比べ大幅に供給量が増加する。
すでに開業した東京ミッドタウン日比谷をはじめ、msb Tamachi・田町ステーションタワーSや大手町プレイス・ウエストタワー/イーストタワーなど大規模な再開発事 業によるオフィスビルの完成が続く。
※2018年以降の供給量は予定を含み、代表的なオフィスビルの竣工予定時期は変わる可能性がある。代表的なオフィスビルの名称は略称・仮称、竣工時の名称を含む。
※オフィス新規供給量はオフィス用途部分を含む建物(延床面積5千㎡以上)で複合ビルの場合は他用途の延床面積も含まれる。また自社ビルの延床面積も含む。
※2018年の平均賃料と空室率は5月時点の水準。
資料(データ部) : 三鬼商事「オフィスデータ」、都市未来総合研究所「Office Market Research」より作成
東京都心部の賃貸オフィス市況-平均空室率
都心5区の5月時点の平均空室率は2.68%で、前月よりわずかに上昇したものの、前年同月比で0.73ポイント低下しており、低下トレンドが続いている。新宿区に続き、渋谷区も1%台に入って空室の少ない状況が続いている。
東京都心部の賃貸オフィス市況-平均賃料
都心5区の5月時点の平均賃料は20,019円/坪となり、前月から123円上昇し、2009年7月以来の2万円台となった。5区の中では千代田区が最も高い水準にあり、渋谷区、港区と2万円台で続く。
(資料:三鬼商事「オフィスデータ」、内閣府「四半期別GDP速報」、公益社団法人日本経済研究センター「短期経済予測」より作成)
※東京ビジネス地区(都心5区)内にある基準階面積100坪以上の主要貸事務所ビルが調査対象。 ※平均賃料については共益費は原則含まない。※平均賃料は、原則として基準階の新規募集条件を対象としている。資料 : 三鬼商事「オフィスデータ」
今後のオフィス賃料の動き
名目GDP(国内総生産)と都心5区のオフィス平均賃料の動きの間には正の関係性(一方が上昇するとき、他方も上昇する)が認められ、特に一期前の名目GDPと平均賃料の間の相関関係が強いことから、GDPの予測に基づいて平均賃料の今後の動きを推し量ることができる。
2018~2020年の(一期前の)名目GDPは成長が続くと予測されていることから、この間の平均賃料は上昇が続くと見込まれる。
[ 図表 ]名目GDP(-1期)とオフィス平均賃料の推移
(資料:三鬼商事「オフィスデータ」、内閣府「四半期別GDP速報」、公益社団法人日本経済研究センター「短期経済予測」より作成)
※名目GDPの値は1期前の値となる(たとえば上図の2018年の名目GDPの値は2017年の実績値である)。※上図の2019年と2020年の名目GDPの予測値は公益社団法人日本経済研究センターが公表した第174回改訂短期経済予測に基づいて算出。※1998年から2017年における1期前の名目GDPと都心5区平均オフィス賃料の相関係数(関係性や類似性の度合いを示す指標で-1~0~1の間をとる)は約0.77となり、「かなり強い正の相関がある」といえる。
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2018年7月14日