関西オフィスマーケットレポート 2021年 夏号
関西主要都市の賃貸オフィス市況の概要
2021 年 5 月末のオフィスビルの平均空室率は、大阪ビジネス地区は 3.99%、京都地区は3.66%、神戸地区は 6.03%であった。新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞や在宅勤務・リモートワークの拡大などの影響がオフィス市況に現れており、大阪ビジネス 地区は 1 年で約 1.8% pt、京都地区と神戸地区は同じく 2% pt を超えて上昇したが、上昇のペースは足下で鈍化しているようにみえる。
平均募集賃料は、大阪ビジネス地区が 11,859 円 / 坪で前月からわずかに上昇、京都地区もわずかに上昇して 13,113 円 / 坪、神戸地区はわずかに下落して 11,268 円 / 坪となった。
※延床面積が1,000 坪以上の主要貸事務所ビルが調査対象。対象ビル棟数は、大阪ビジネス地区(梅田地区、南森町地区、淀屋橋・本町地区、船場地区、心斎橋・難波地区、新大阪地区)803 棟、京都地区86 棟、神戸地区108 棟(2021 年5 月)。
※平均募集賃料については共益費は原則含まない。
資料:三鬼商事「最新オフィスビル市況」
※本資料は参考情報の提供を目的とするものです。本資料は信頼できると思われる情報に基いて作成していますが、その正確性と完全性、客観性については当社は責任を負いません。
※本レポートの無断転載を禁じます。 Copyright 2021 HEISEI BUILDING CO., LTD.
関西圏における賃貸物流施設のマーケット動向-1.空室率の動向
2021 年4 月の空室率は1.5%となり、1 月の2.8% から 1.3pt 低下した。昨年 4 月に 2.0%まで低下トレンドが続いたのち、3%前後までわずかに上昇していたが、新規需要が堅調となり需給が改善した。2021 年 4 月時点の賃貸面積は 728.7 万㎡(前年同期比 15.1%増)、空室面積は 10.9 万㎡(前年同期比 17.4%減)である。
この 1 年で「ロジスタ京都上鳥羽(阪急電鉄)」、「久御山町物流センター(三井物産都市開発)」、「プロロジスパーク神戸 5(プロロジス)」など多くの施設が満室で竣工した。
関西圏における賃貸物流施設のマーケット動向-2.需給バランスの動向
2020年5 月から 2021年4 月までの1 年間の新規供給量は約 91 万㎡で、前年から約 40 万㎡増加した。大量の新規供給にもかかわらず、この 1 年は新規需要が新規供給を上回った。
今後竣工予定の主要な物流施設は内陸部に立地 している物件が多く、「プロロジスパーク猪名川1、 2」、「MFLP 大阪交野」、「ロジポート神戸西」等が2021 年中に竣工予定である。臨海部では「LOGIFRONT尼崎Ⅳ」が 9 月に竣工予定である。
関西圏における賃貸物流施設のマーケット動向-3.募集賃料の動向
2021 年 4 月の募集賃料は 4,000 円 / 坪で、3 期連続で横ばいとなっている。関西圏ではやや逼迫した需給環境を背景に、臨海部、内陸部とも安定した賃料動向にある。
コロナ禍での巣ごもり消費により E コマースの業容拡大が続き、物流施設では需要が堅調で、足元の需給バランスは逼迫し、賃料は高水準で推移している。東京圏や関西圏では、新たに物流施設の開発事業に参入するディベロッパーもあり、開発の動きが活発化している。
調査対象:需給データについては、延床面積または敷地面積が 1 万㎡以上の賃貸物流施設が対象。なお、自社用などは集計対象外。
賃料については、募集面積 1,000 ㎡以上の賃貸物流施設が対象で中央値。
調査地域:京都府・大阪府・兵庫県
調査棟数:136棟(需給データ)
資料:株式会社一五不動産情報サービス「物流施設の賃貸マーケットに関する調査」
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2021年7月2日